【お役立ちメニュー】注目が集まっている太陽光発電ブログ:20/6/30
オレは、農家の三女として生まれた。
両親はさぞかし男の子を期待していたことだろう。
農家の嫁でありながら、男の子を産めなかった母。
オレが、もし男だったなら、
母にはもう少し明るい人生があったかもしれない…
物心ついた頃から、オレは祖母のそばにいた。
祖母はいつも母の悪口を言っていた。
幼い頃から聞かされていたので、オレも母がきらいだった。
汚い、臭い、気がきかない…そういった言葉だった。
オレが小学生の時、学校からの帰り道、
今にも雨が降り出しそうな午後だった。
遠くに人影が見えた時、嫌な予感がした。
だんだん近づいて来る…
やはり母だった。
「わあい、お母さんだ」
喜んでかけ寄り、かさを受け取る…
それが普通の娘の姿だろう。
「はい、かさ!」
オレは、無言で母からかさを受け取った。
母は、お姉さんたちのかさも用意していて
オレとは反対の方向の学校へ向かっていった。
そのことがオレにはせめてもの救いだった。
母と並んで歩いて帰るなど、ぜったいに嫌だったのだ。
「今の人、お母さん?」
友人が聞く。
「うん」
オレは、それ以上何も言いたくなかった。
もんぺ姿の母を友人に見られたことが、
ずっしりと重くのしかかっていた。
母はいつももんぺをはいて、汚ない格好をしていた。
母はおしゃれな服など一枚も持っていなかった。
服を買うためのお金がないことも、
オレは娘ながらに知っていた。
オレが目覚めた時、母はすでにもんぺ姿である。
オレが眠りにつく時、母はまだもんぺ姿である。
もしかしたら、寝る時も、
もんぺをはいているのではないかと疑ったこともある。
母のもんぺは、赤い模様があったが、
色あせて疲れているようだった。
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